製品開発の背景

工業塗装ラインにおいて、塗料ミストによる汚染対策は長年の課題でした。塗装ブースの壁やスノコはもちろん、台車や吊具などの治具まであらゆる箇所がミストに晒されています。加えて、自動車用や住宅外壁用などの高性能で硬い塗膜を作るものほど、こびり付いたミストの除去は多くの手間と費用が発生し、生産コストを圧迫する一因ともなっていました。これまでこのような汚染の除去方法としては、作業員の労力による物理的除去や薬品による除去、焼却などの方法が取られており、いずれも多くの手間と費用、環境負荷をもたらしていました。

ハスの葉の構造に学んだ防汚の切り札

「MPS」はハスの葉が、その微細構造と表面の化学的特性により強力な撥水効果、いわゆるロータス効果を持つことに着目し、これと同等の撥水性を持つ塗膜の実現に成功しました。

同様の塗料は汎用塗料の分野では落書き・貼り紙防止、トンネル内の排気設備やガードレールの汚染防止に使用されていますが、MPSは、撥水・撥油性と離形性を高め、これまで困難とされてきた工場塗装ラインの防汚対策に活用されています。